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米国株・海外株投資の始め方【初心者向け】
① 米国株・海外株に関心を持つ人が多い理由
近年、初心者の方でも米国株・海外株に目を向けるケースが増えています。理由としてよく挙げられるのは、次のようなものです。
- 少額から試しやすい——米国株には日本株のような単元株(100株単位)の制度がなく、1株から売買できます
- 世界規模で事業を展開する企業に投資できる——普段使っているサービスの運営企業が米国市場に上場していることも多くあります
- 資産の置き場所を分散できる——保有資産が日本円・日本の資産だけに偏るのを避ける、という考え方です
- NISAの成長投資枠でも扱える場合がある——ただし取扱いの有無は金融機関によって異なります(詳しくは③で解説します)
② 国内株との違い(取引時間・売買単位・為替)
米国株は「国内株の延長線上」ではなく、いくつかルールが違います。ここを知らないまま始めると、思わぬところで戸惑うことになります。
取引時間は日本の夜〜早朝
ニューヨーク証券取引所やナスダックの通常の取引時間は、現地時間の9時30分〜16時(昼休みなし)です。これを日本時間に直すと、次のようになります。
| 期間 | 日本時間の取引時間 |
|---|---|
| 夏時間(3月第2日曜〜11月第1日曜) | 22:30 〜 翌5:00 |
| 冬時間(11月第1日曜〜3月第2日曜) | 23:30 〜 翌6:00 |
米国にはサマータイム(夏時間)があるため、年に2回、取引時間が1時間ずれます。「いつもの時間に開いていない」と慌てないよう、頭の片隅に置いておくと安心です。
また、証券会社によっては通常の取引時間の前後にプレマーケット(時間前取引)・アフターマーケット(時間後取引)を用意している場合があります。これらの時間帯は指値注文のみ受け付けるなど、注文方法に制限があることが多いので、利用する場合は各社のルールを確認してください。
売買単位は1株から
日本株の多くは100株単位での取引ですが、米国株には単元株の制度がなく、1株から買えます。株価が高い銘柄でも1株から手を出せるため、少額で試してみたい方には始めやすい面があります。
為替(円高・円安)の影響を受ける
ここが国内株との一番大きな違いです。米国株は米ドル建てのため、株価が変わらなくても、為替が動けば日本円で見た評価額は変わります。
| 項目 | 国内株 | 米国株 |
|---|---|---|
| 売買単位 | 100株単位が基本 | 1株から |
| 取引時間 | 日本時間の日中 | 日本時間の夜〜早朝 |
| 為替の影響 | 受けない | 受ける(円高・円安で評価額が変動) |
| 配当への課税 | 日本での課税のみ | 米国で源泉徴収された後、日本でも課税される |
③ 税金のしくみとNISAでの扱い
米国株の税金は、「売却益」と「配当」で扱いが違います。ここを最初に押さえておくと、後で慌てずに済みます。
売却益(譲渡益)
米国株を売って利益が出た場合、国内株と同じく20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が課税されます。特定口座(源泉徴収あり)を選んでいれば、原則として証券会社が源泉徴収してくれるため、確定申告なしで完結します。
配当は「二重課税」になる
配当金は少し複雑です。まず米国で10%が源泉徴収され、その残額に対して日本でも20.315%が課税されます。同じ配当に対して2か国で税金がかかるため、これを「二重課税」と呼びます。
この米国で引かれた分は、確定申告で外国税額控除を申請することで、日本の税額から差し引ける場合があります。ただし控除できる金額には限度額があり(その年の所得税額のうち国外所得が占める割合に応じて計算されます)、引かれた10%が必ず全額戻るわけではありません。手続きには確定申告書に「外国税額控除に関する明細書」などを添付する必要があります。
NISAの成長投資枠での扱い
NISAは2024年からの制度で、年間投資枠はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円(併用で最大360万円)、生涯を通じた非課税保有限度額は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)です。
外国の上場株式は、この成長投資枠で扱われるのが一般的です。ただし注意点が2つあります。
- つみたて投資枠では個別の外国株は買えません——つみたて投資枠は対象の投資信託等が中心です
- 取扱いは金融機関ごとに異なります——どの国の株式を、どの銘柄まで成長投資枠で扱うかは証券会社によって差があるため、口座を開く前に確認が必要です
- 制度上、整理・監理銘柄や、信託期間20年未満・毎月分配型・デリバティブを用いた一定の投資信託などは成長投資枠の対象から除外されています
④ 始めるまでの流れ
実際に買えるようになるまでの手順は、おおむね次のとおりです。
1. 証券口座を開く(外国株式の取引口座が別に必要な場合も)
まずは米国株・海外株を取り扱っている証券会社で口座を開きます。会社によっては、総合口座とは別に「外国株式取引口座」の開設申込みが必要なことがあります。どの国の株式を扱っているかも会社ごとに違うので、自分が見たい市場に対応しているか確認しておきましょう。
2. 口座の種類を選ぶ
特定口座(源泉徴収あり)、一般口座、NISA口座のどれを使うかを決めます。確定申告の手間を減らしたい方は特定口座(源泉徴収あり)が扱いやすい選択肢です。
3. 入金し、円貨決済か外貨決済かを決める
米国株の買付方法には、円のまま注文する「円貨決済」と、あらかじめ円を米ドルに替えてから注文する「外貨決済」があります。手間が少ないのは円貨決済、両替のタイミングを自分で選びたい場合は外貨決済、という整理になります。
4. 何を買うかを考える
海外への投資には、大きく分けて個別株を1銘柄ずつ選ぶ方法と、ETFや投資信託を通じてまとめて投資する方法があります。1銘柄ずつ選ぶのは値動きが分かりやすい反面、その企業だけに結果が左右されます。ETFや投資信託は多くの銘柄に分散される代わりに、保有中の運用コスト(信託報酬など)がかかります。どちらが優れているという話ではなく、性格が違うものだと理解しておくとよいでしょう。
5. 注文する
注文方法は国内株と同じく指値・成行が基本ですが、時間外取引では指値のみといった制限がかかる場合があります。初めての1回は、金額を抑えて「注文から約定までの流れを確認する」くらいの気持ちで試すのが安全です。
投資を始めるには、まず証券口座が必要です。一例として、初心者向けのサポートに力を入れているDMM株をご紹介します。もちろん、ほかの証券会社が合う方もいます。ご自身に合うところを選んでください。
初心者も安心!サポート充実の【DMM株】 →⑤ 為替手数料とコストの考え方
米国株のコストは、「売買手数料」と「為替手数料」の2階建てで考えるのが基本です。
売買手数料
主要なネット証券では、約定代金の0.495%(税込)・上限22米ドル(税込)という水準を採用しているところが多く、各社ほぼ横並びです。加えて、NISA口座での米国株の売買手数料を無料にしている会社もあります。売却時には米国現地の手数料(SEC Fee など)が別途かかります。
為替手数料
為替手数料は「1米ドルあたり◯銭」という形でかかります。水準は会社によって差があり、片道25銭という会社もあれば、米ドルの買付時・売却時ともに無料としている会社もあります。近年は無料化・引き下げが進んでいる一方、「外貨決済なら無料だが、円貨決済だと25銭かかる」といった条件付きのケースもあるため、自分の使い方に当てはめて確認する必要があります。
- 為替手数料は円→ドル(買うとき)とドル→円(戻すとき)の両方でかかる可能性があります
- 「片道25銭」なら、往復で1ドルあたり50銭のコストになる計算です
- 少額で何度も売買するほど、こうした固定的なコストの影響は相対的に大きくなります
- 数字を比べるときは「買付時か売却時か」「円貨決済か外貨決済か」の条件をそろえて見比べてください
⑥ 初心者が注意したい点
株価が上がっても、円高で目減りすることがある
米国株で最も見落とされやすいのがこれです。ドル建ての株価が上がっていても、その間に円高が進めば、日本円に直したときの利益は小さくなります。逆に円安が進めば、株価が横ばいでも円換算では増えて見えます。損益を見るときは「株価の動き」と「為替の動き」を分けて考える癖をつけると、判断を誤りにくくなります。
取引時間が夜間であること
米国市場が開くのは日本の深夜です。リアルタイムで値動きを追い続けようとすると、生活リズムに影響します。指値注文を使って寝る、というスタイルを前提に考えた方が現実的でしょう。
情報が英語中心になること
企業が出す決算資料やニュースは英語が基本です。日本語の解説記事も増えていますが、一次情報にあたりたい場合は英語を読む場面が出てきます。また、米国企業の決算発表は四半期ごとで、決算をまたぐタイミングでは値動きが大きくなることがあります。
1つの国・1つの銘柄に集中させすぎない
米国株に関心を持つと、資産の大半をそこに寄せたくなることがあります。しかし特定の国・特定の企業に集中すればするほど、その1つの結果に自分の資産全体が左右されます。どの程度の割合を海外資産に振り向けるかは、投資を始める前に自分の中で決めておくことをおすすめします。
税務が複雑になりやすい
外国税額控除を使う場合は確定申告が必要ですし、外貨のまま保有・両替する場合の取り扱いなど、国内株だけのときより判断が必要な場面が増えます。金額が大きくなってきたら、国税庁の情報を確認するか、税理士など専門家に相談するのが確実です。
📌 まとめ
- 米国株は1株から買え、取引時間は日本時間の夜〜早朝(夏時間22:30〜翌5:00/冬時間23:30〜翌6:00)
- 国内株との最大の違いは「為替の影響を受ける」こと。株価と為替は分けて考える
- 売却益は20.315%。配当は米国で10%引かれた後、日本でも課税される
- 米国で引かれた分は確定申告の外国税額控除で調整できる場合があるが、限度額があり全額戻るとは限らない
- NISA口座では日本の税金がゼロのため外国税額控除が使えず、米国の10%は残る
- 外国株はNISAの成長投資枠での扱いが基本。取扱いの有無は金融機関ごとに違う
- コストは「売買手数料+為替手数料」の往復で確認する
※この記事は投資に関する一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄・金融商品の勧誘や、個別の投資助言を行うものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。投資には元本割れのリスクがあります。手数料・税制・各社のサービス内容は変更される場合がありますので、実際のお取引にあたっては証券会社の公式サイトや国税庁・金融庁などの一次情報を必ずご確認ください。