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株式投資の基本用語集|PER・PBR・ROEなど初心者がつまずく言葉
① 用語を知ると、投資はぐっと楽になる
投資の世界の用語は、たしかに数が多く見えます。ただ、初心者が最初に覚えるべきものは、実はそれほど多くありません。この記事で扱う10個ほどを押さえておけば、証券会社の銘柄情報ページや、決算に関するニュースの大部分は読めるようになります。
用語を知るメリットは、単に「記事が読める」ことだけではありません。数字の意味が分かると、他人の意見に流されにくくなります。「この銘柄は割安です」と誰かに言われたとき、何をもって割安と言っているのかを自分で確かめられるかどうかは、大きな違いです。
- すべてを一度に暗記しようとしなくて大丈夫です
- 実際に証券会社の銘柄ページを開きながら読むと、頭に入りやすくなります
- 意味を忘れたら、記事後半の「早見表」に戻ってきてください
② 株価まわりの基本用語
まずは、指標の計算に入る前に、株価そのものに関する用語からです。
株価
その株が、いま市場でいくらで売買されているかを示す価格です。買いたい人と売りたい人の希望価格がぶつかり合って決まります。「株価が高い会社=良い会社」ではありません。株価はあくまで「1株あたりの値段」なので、会社の大きさとは別の話です。
単元株(たんげんかぶ)
株を売買するときの最低単位のことです。国内の証券取引所では、売買単位が100株に統一されています。つまり株価1,500円の銘柄なら、最低でも1,500円 × 100株 = 15万円が必要という計算になります。
なお、証券会社によっては1株から買える「単元未満株(ミニ株)」のサービスを扱っているところもあり、少額から始めたい方はそちらを検討する余地もあります。
時価総額(じかそうがく)
その会社が市場でどれくらいの規模と評価されているかを示す数字です。日本取引所グループの用語集でも、株価に株式数を掛けたものと説明されています。
- 時価総額 = 株価 × 発行済株式数
先ほど「株価が高い会社=良い会社ではない」と書いたのは、この時価総額があるからです。株価5,000円でも発行済株式数が少なければ会社の規模は小さく、株価500円でも株式数が多ければ規模は大きくなります。会社の大きさを比べたいときは、株価ではなく時価総額を見ます。
出来高(できだか)
一定の期間内に売買が成立した株数のことです。「売買高」とも呼ばれます。売り1,000株と買い1,000株で取引が成立した場合、出来高は1,000株と数えます。
出来高は、その銘柄がどれくらい活発に売買されているかの目安になります。出来高が極端に少ない銘柄は、売りたいときにすぐ買い手が見つからず、思った価格で売れないことがあります。これを「流動性が低い」と表現します。
株価チャート
株価の推移をグラフにしたものです。よく使われるのが「ローソク足」で、一定期間の始値・終値・高値・安値の4つを1本で表しています。ローソクの実体部分が、始値と終値の間の値幅です。
③ 割安・割高を測る指標(PER・PBR)
ここからが、多くの初心者がつまずくところです。ただ、計算式そのものはとてもシンプルです。
EPS(1株当たり利益)
PERを理解するために、先にEPSを知っておく必要があります。EPS(Earnings Per Share)は、会社が稼いだ利益を、1株あたりに割り戻した金額です。
- EPS(1株当たり利益) = 当期純利益 ÷ 発行済株式数
PER(株価収益率)
PER(Price Earnings Ratio)は、株価が、1株当たり利益の何倍まで買われているかを示す指標です。「株価収益率」と訳されます。単位は「倍」です。
- PER(倍) = 株価 ÷ EPS(1株当たり利益)
例えば株価1,500円、EPSが100円の会社なら、PERは15倍です。これは「いまの利益水準が続くと仮定すると、15年分の利益で株価の元が取れる計算になる」というイメージで捉えると分かりやすくなります。
一般に、PERが低いほど利益に対して株価が安い(割安)、高いほど株価が高い(割高)と説明されます。ただし、ここには大きな注意点があります。
また、PERの水準は業種によって大きく異なります。成長期待の高い業種は高めに、成熟した業種は低めになりやすい傾向があります。比べるなら、業種の違う会社同士ではなく、同じ業種の中や、その会社自身の過去の水準と比べる方が意味を持ちます。
BPS(1株当たり純資産)
PBRを理解するために必要なのがBPS(Book Value Per Share)です。会社の純資産(資産から負債を引いた、正味の財産)を1株あたりに割り戻した金額です。
- BPS(1株当たり純資産) = 純資産 ÷ 発行済株式数
PBR(株価純資産倍率)
PBR(Price Book-value Ratio)は、株価が、1株当たり純資産の何倍まで買われているかを示す指標です。PERが「利益」に対する株価の高さを見るのに対し、PBRは「会社が持っている財産」に対する株価の高さを見ます。
- PBR(倍) = 株価 ÷ BPS(1株当たり純資産)
PBRが1倍のとき、株価と1株当たり純資産がちょうど同じ金額ということになります。理屈のうえでは、PBR1倍割れは「会社を解散して財産を分けた場合の価値より、株価の方が安い」状態を意味します。近年、上場企業に対してPBRの改善を求める動きがあり、ニュースでよく話題になるのはこのためです。
④ 企業の稼ぐ力を測る指標(ROE・ROA)
PER・PBRが「株価が高いか安いか」を見る指標だったのに対し、ROE・ROAは「その会社が効率よく稼げているか」を見る指標です。株価は計算に入っていません。
ROE(自己資本利益率)
ROE(Return On Equity)は、株主が出したお金(自己資本)を使って、どれだけ効率よく利益を生み出したかを示す指標です。%で表します。
- ROE(%) = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
株主から預かった100のお金で10の利益を出せばROEは10%です。株主の立場から見て、自分が出したお金がどれだけ働いているかを表す指標と言えます。
ROA(総資産利益率)
ROA(Return On Assets)は、借入も含めた会社の全資産を使って、どれだけ利益を生み出したかを示す指標です。
- ROA(%) = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100
ROEとROAの一番の違いは、分母に借入金(負債)が入るかどうかです。ROEの分母は株主のお金だけ、ROAの分母は借りたお金も含めた全部です。
これを見分けるために、ROEとROAを並べて見る、あるいは自己資本比率もあわせて確認する、という読み方がよく使われます。指標は1つだけで判断せず、組み合わせて見る——これが基本の考え方です。
なお、ROAは業種によって必要な資産の量がまったく違うため、異なる業種の会社同士を比べるのには向きません。工場や設備を大量に持つ製造業と、資産をあまり持たないサービス業では、同じ土俵で比べても意味がないためです。
⑤ 配当に関する用語
配当は、会社が稼いだ利益の一部を株主に還元するお金です。関連する用語を2つ押さえておきます。
配当利回り
買った株価に対して、1年間でどれだけの配当を受け取れるかを%で示したものです。
- 配当利回り(%) = 1株当たりの年間配当金 ÷ 株価 × 100
株価2,000円で年間配当が60円なら、配当利回りは3%です。ここで気をつけたいのは、配当利回りの分母が株価だという点です。配当金の額が変わらなくても、株価が下がれば利回りは自動的に上がります。つまり「利回りが高い」の中には、「株価が大きく下がった結果そう見えているだけ」というケースが混じっています。
配当性向(はいとうせいこう)
会社が稼いだ利益のうち、どれだけを配当に回したかを%で示したものです。
- 配当性向(%) = 1株当たり配当金 ÷ 1株当たり当期純利益(EPS) × 100
- (会社全体で見る場合:配当金総額 ÷ 当期純利益 × 100)
配当利回りが「株価に対する配当の割合」なのに対し、配当性向は「利益に対する配当の割合」です。似ていますが、見ているものがまったく違います。
配当性向が極端に高い場合、利益のほとんどを配当に回している状態ということになり、業績が悪化したときに配当を維持しづらくなる可能性があります。逆に低い場合は、利益を配当ではなく事業への再投資に回している、という読み方もできます。どちらが良いかは会社の成長段階によって変わるため、一概には言えません。
配当の受け取り方や税金の仕組みについては、配当金・配当利回りの基礎知識で詳しく整理しています。
⑥ 注文方法の用語(指値・成行)
実際に株を買うとき、必ず選ぶことになるのがこの2つです。ここを理解しないまま注文すると、意図しない価格で約定してしまうことがあります。
指値注文(さしねちゅうもん)
価格を指定する注文方法です。「1,000円以下で買いたい」「1,200円以上で売りたい」というように、自分で上限・下限を決めます。
買い注文は指定した値段以下の売り注文が出れば成立し、売り注文は指定した値段以上の買い注文が出れば成立します。希望より不利な価格で約定することはありませんが、その価格に届かなければいつまでも約定しません。
成行注文(なりゆきちゅうもん)
価格を指定しない注文方法です。「いくらでもいいから買いたい/売りたい」という注文で、そのときに最も有利な相手と売買が成立します。取引のルール上、成行注文は指値注文より優先されます。
約定しやすい反面、いくらで約定するかは事前に分かりません。
| 比較項目 | 指値注文 | 成行注文 |
|---|---|---|
| 価格の指定 | する | しない |
| 約定のしやすさ | 約定しないことがある | 約定しやすい |
| 価格の予想しやすさ | 不利な価格にはならない | いくらになるか分からない |
| 向いている場面 | 価格にこだわりたいとき | とにかく確実に売買したいとき |
証券会社の銘柄情報ページには、この記事で紹介した指標がひととおり表示されています。口座開設は無料で、開設したからといってすぐに買う必要はありません。
証券会社の選び方を見る →投資を始めるには、まず証券口座が必要です。一例として、初心者向けのサポートに力を入れているDMM株をご紹介します。もちろん、ほかの証券会社が合う方もいます。ご自身に合うところを選んでください。
初心者も安心!サポート充実の【DMM株】 →⑦ 用語早見表
ここまでの内容を一覧にまとめました。意味を忘れたときの確認用にお使いください。
| 用語 | 計算式 | 何が分かるか |
|---|---|---|
| 時価総額 | 株価 × 発行済株式数 | 会社の市場での規模 |
| 出来高 | (期間中に売買が成立した株数) | 売買の活発さ・流動性 |
| EPS (1株当たり利益) |
当期純利益 ÷ 発行済株式数 | 1株あたりいくら稼いだか |
| BPS (1株当たり純資産) |
純資産 ÷ 発行済株式数 | 1株あたりの正味の財産 |
| PER (株価収益率) |
株価 ÷ EPS | 利益に対する株価の高さ |
| PBR (株価純資産倍率) |
株価 ÷ BPS | 財産に対する株価の高さ |
| ROE (自己資本利益率) |
当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 | 株主のお金を使う効率 |
| ROA (総資産利益率) |
当期純利益 ÷ 総資産 × 100 | 全資産を使う効率 |
| 配当利回り | 1株当たり年間配当金 ÷ 株価 × 100 | 株価に対する配当の割合 |
| 配当性向 | 1株当たり配当金 ÷ EPS × 100 | 利益に対する配当の割合 |
| 指値注文 | — | 価格を指定して出す注文 |
| 成行注文 | — | 価格を指定せず出す注文 |
- PER・PBRは「株価 ÷ 何か」——株価が分子。株価が高いか安いかを見る
- ROE・ROAは「利益 ÷ 何か」——利益が分子。株価は関係なく、稼ぐ力を見る
- 配当利回りの分母は株価、配当性向の分母は利益——ここが一番混同しやすいところ
指標の考え方に慣れてきたら、個別株ではなく投資信託やETFという選択肢もあります。違いについては投資信託とETFの違い|初心者が知っておきたい選び方で整理しています。また、そもそもどの証券会社で口座を開くか迷っている方は証券会社の選び方|初心者が最初に見るべきポイントもあわせてどうぞ。
📌 まとめ
- 最初に覚える用語は10個ほどで足りる。すべてを暗記する必要はない
- 時価総額 = 株価 × 発行済株式数。会社の規模は株価ではなく時価総額で見る
- PER = 株価 ÷ EPS(利益に対する株価)、PBR = 株価 ÷ BPS(財産に対する株価)
- ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本、ROA = 当期純利益 ÷ 総資産。分母に借入が入るかが違い
- 配当利回りの分母は株価、配当性向の分母は利益。似ているが別物
- 指値は価格を指定する注文、成行は指定しない注文。出来高の少ない銘柄では成行に注意
- 指標の数字は業種や状況で意味が変わる。1つの数字だけで良し悪しを決めない
※この記事は投資に関する一般的な情報提供・用語解説を目的としたものであり、特定の銘柄・金融商品の勧誘や、個別の投資助言を行うものではありません。記事中の数値例は用語を説明するための仮の数字です。指標の定義や計算方法は情報提供元によって異なる場合がありますので、実際の投資判断にあたっては証券会社や取引所の公表情報をご確認ください。投資はご自身の判断と責任で行ってください。投資には元本割れのリスクがあります。