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配当金にかかる税金と確定申告|源泉徴収で終わる場合と、申告を考える場合

サイト管理人
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株式投資歴20年。米国株・海外株・FX投資の経験をもとに情報をお届けします。
配当金は、支払いのときに税金があらかじめ差し引かれて(源泉徴収されて)入金されます。そのため「確定申告はしなくていいの?」と迷う方は少なくありません。この記事では、国税庁・金融庁などの公表情報にもとづいて、上場株式の配当金が源泉徴収で終わる仕組みと、確定申告を考える場合の選択肢を整理します。配当金や配当利回りそのものの基礎は配当金・配当利回りの基礎知識で扱っているため、この記事では「申告するか・しないか」「申告する場合の課税方式」に絞って説明します。個別の税額の計算や、「こうすれば税金が少なくなる」といった助言はしません。
⚠️ はじめにお読みください
この記事は2026年10月時点で確認できた公的機関の公表情報(国税庁タックスアンサーは令和8年4月1日現在の法令等にもとづく内容)をもとにした、一般的な説明です。税制は改正されることがあり、実際の取り扱いはお一人おひとりの所得や状況によって異なります。特定の銘柄や金融商品をすすめるものではなく、投資助言・税務相談でもありません。投資には元本割れ(投資したお金より価値が下がること)の可能性があります。申告の要否や課税方式の選び方に迷うときは、税務署や税理士などの専門家にご確認ください。最終的な判断はご自身で行ってください。

① 結論:基本は「源泉徴収で納税が済む」

国内の上場株式の配当金には、支払いを受けるときに税金が差し引かれます。国税庁のタックスアンサー(番号1330)によると、上場株式等の配当(大口株主等が受けるものを除く)の源泉徴収税率は、所得税及び復興特別所得税15.315%、地方税(住民税)5%です(2026年10月時点)。合わせると20.315%です。

💡 2027年1月以後の変更予定(国税庁の案内より)
  • 令和9年(2027年)1月1日以後は、復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、あわせて源泉所得税額の1%相当の防衛特別所得税が源泉徴収されます(国税庁の番号1330)
  • 防衛特別所得税と復興特別所得税を合わせた合計の税率は変わらないため、源泉徴収される税額の計算方法も変わらないと案内されています(国税庁の番号2507)

つまり、配当金を受け取る時点で、税金の支払いの手続きがすでに行われています。そのうえで、上場株式等の配当については、確定申告をしなくてもよい(申告不要)という扱いを選べます。

なお、発行済株式の総数の3%以上を持つ「大口株主等」の配当は、20.42%(地方税なし)の源泉徴収で、申告分離課税や申告不要制度を選べず総合課税になります(少額配当の場合を除く)。投資にかかる税金の全体像は投資にかかる税金の基本で整理しています。

② 確定申告をしなくてよい仕組み(申告不要制度)

上場株式の配当は、金額にかかわらず申告不要を選べる

国税庁のタックスアンサー(番号1330)では、上場株式等の配当等(大口株主等が受ける場合を除く)は、金額にかかわらず確定申告は不要とされています。これを「確定申告不要制度」と呼びます。この選択は、1回に支払いを受ける配当等ごとに行い、特定口座の源泉徴収口座に配当等を受け入れている場合は口座ごとに行うと説明されています。

申告不要を選ぶと、源泉徴収された税額で納税が完了します。なお、確定申告不要を選んだ配当について、源泉徴収された税額を所得税額から差し引く(精算する)ことはできません。

特定口座(源泉徴収あり)での配当の受け取り

特定口座は、証券会社が1年間の損益を計算してくれる口座です。口座の種類の違いは特定口座と一般口座の違いで整理しています。国税庁のタックスアンサー(番号1476)では、源泉徴収ありの特定口座に、上場株式等の配当等を受け入れることを選べると説明されています。受け入れる場合は「源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書」を提出します。口座内に譲渡損失(株の売却損)があれば、配当等の合計額からその損失を差し引いた額に対して税金が源泉徴収されます。

配当の受け入れの取り扱いや手続きは証券会社によって異なる場合があるため、利用している証券会社の案内をご確認ください。

⚠️ 申告が必要になる場合もあります
国税庁のタックスアンサー(番号1476)では、源泉徴収口座の譲渡益を他の口座の譲渡損失と相殺する場合や、損益通算・繰越控除の特例を受ける場合などは確定申告が必要とされています。源泉徴収口座で生じた譲渡損失を申告する場合は、受け入れた配当等もあわせて申告が必要で、申告不要にはできないと説明されています。

③ 申告する場合の選択肢:総合課税と申告分離課税

確定申告をする場合、上場株式等の配当については「総合課税」と「申告分離課税」のどちらかを選びます。国税庁のタックスアンサー(番号1330・1331)にもとづいて、3つの選択肢を比べてみます。

課税方式 概要(国税庁の案内より)
申告不要 確定申告をしない。源泉徴収された税額で納税が完了する
総合課税 他の所得と合算して税額を計算する。一定の配当は配当控除の対象になる
申告分離課税 他の所得と区分して税額を計算する。税率は所得税・復興特別所得税15.315%と地方税5%を合わせた20.315%。配当控除は適用されない

選ぶときの決まり

申告すると、ほかの場面に影響することがあります

国税庁のタックスアンサー(番号1331)では、扶養控除等の判定をするときの合計所得金額に、総合課税と申告分離課税を選んだ配当は含まれ、確定申告不要とした配当は含まれないと案内されています。このほか、各種の保険料などの判定に影響が出る場合があります。制度によって異なるため、お住まいの市区町村や加入している制度の窓口でご確認ください。

④ 配当控除と損益通算の概要

配当控除:総合課税を選んだ場合の仕組み

配当控除は、配当所得があるとき、一定の方法で計算した金額を、所得税の額から差し引ける(税額控除の)仕組みです。国税庁のタックスアンサー(番号1250)では、次のように説明されています。

💡 配当控除のポイント(国税庁の番号1250より)
  • 対象は、国内法人から受けた配当で、確定申告で総合課税を選択したもの。外国法人からの配当は対象外
  • 課税総所得金額等が1,000万円以下の部分では、株式等の配当は10%、証券投資信託の収益分配金は5%が控除率(1,000万円を超える部分は控除率が下がる)
  • 確定申告不要制度や申告分離課税を選んだ配当は、配当控除の対象外

控除率は課税総所得金額等や配当の種類によって細かく分かれています。ご自身の場合は、税務署などでご確認ください。

損益通算:申告分離課税を選んだ場合の仕組み

申告分離課税を選んだ配当所得には、一定の要件のもとで、上場株式等の譲渡損失を差し引く「損益通算」を使える場合があります。通算しきれない損失は、確定申告をすることで、翌年以後3年間繰り越せる制度もあります(国税庁の番号1331、1476)。要件や手続きがあり、使えるかどうかは個々の状況しだいです。詳しくは国税庁のタックスアンサー(番号1474)などでご確認ください。

⚠️ 「申告したほうが得か」はこの記事では判断できません
どの方式が合うかは、所得の状況によって分かれます。税額の試算や判断は、税務署や税理士にご相談ください。

⑤ NISA口座の配当と、受け取り方法の条件

NISA口座で投資した株式の配当は、金融庁の資料で「運用益(売却益・配当/分配金)が非課税」と説明されています。NISA口座の制度の概要はNISA口座はどこで開く?や、新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違いで扱っています。ここでは、配当に関する条件だけを確認します。

⚠️ 受け取り方法によっては、NISA口座の株でも配当が非課税になりません
金融庁の資料(NISAを利用する皆さまへ)では、「証券口座で受領する株式数比例配分方式」以外の受け取り方法(配当金領収証方式、個別銘柄指定方式、登録配当金受領口座方式)の場合、NISA口座で購入した株式であっても配当金は非課税にならないと説明されています。ETFやREITの分配金についても同様とされています。NISA口座の株の配当金は、受け取り方法を株式数比例配分方式にする必要があります。設定の方法は証券会社によって異なります。

また、金融庁の資料では、NISA口座から得られた損益を、特定口座や一般口座の損益と損益通算することはできず、損失を翌年以降に繰り越すこともできないと説明されています。

高配当株の考え方は高配当株投資とは?初心者が知っておきたい基礎、株主優待は株主優待とは?をご覧ください(株主優待の税金上の扱いはこの記事では扱いません)。

⑥ 海外株の配当:二重課税と外国税額控除

米国株などの海外株の配当は、国内株とは課税の仕組みが少し違います。海外株の始め方は米国株・海外株投資の始め方、海外ETFについては海外ETFと為替ヘッジの考え方で扱っています。

外国での課税と、日本での課税

海外の企業の配当には、その国の法律により、現地で税金が課される場合があります。財務省の「日米租税条約のポイント」では、米国の配当のうち、親子会社間のものではない一般的な配当(ポートフォリオ配当)の限度税率が10%とされています。国や条約の内容によって税率は異なります。実際に差し引かれた税は、証券会社から届く書類でご確認ください。

外国税額控除という調整の仕組み

外国で課された税と日本の税の両方がかかる場合に、調整する仕組みとして「外国税額控除」があります。国税庁のタックスアンサー(番号1240)では、次のように説明されています。

💡 外国税額控除のポイント(国税庁の番号1240より)
  • 居住者が外国の法令により外国所得税を納付する場合、一定の上限(控除限度額)まで、その外国所得税額を所得税額から差し引ける
  • 外国所得税額が控除限度額を超えた場合、超えた分を復興特別所得税額から差し引ける場合がある。控除しきれない分などを3年内で繰り越して控除できる場合もある
  • 控除を受けるには、確定申告書に「外国税額控除に関する明細書(居住者用)」などを添付して申告する必要がある

対象外となる税や所得もあるため、個別の確認が必要とされています。また、配当控除(前の章)は外国法人からの配当は対象外です。海外株の配当は、国内株の配当とは申告の考え方が異なる点に注意が必要です。

NISA口座で海外株の配当を受け取る場合、非課税になるのは日本での課税です。外国での課税の扱いは、証券会社の案内や配当金・配当利回りの基礎知識も参考に、事前にご確認ください。

⑦ 申告を考える前に確認したいこと・よくある疑問

申告を考える前に、まず手元で、配当を受け取っている口座(特定口座・一般口座・NISA口座)と、配当の受け取り方法、証券会社の「年間取引報告書」の表示を確認してみてください。

Q. 配当金が少額でも、確定申告は必要ですか?

国税庁のタックスアンサー(番号1330)では、上場株式等の配当等(大口株主等が受ける場合を除く)は、金額にかかわらず確定申告は不要とされています。ただし、ほかの理由(売却損の申告など)で申告をする場合は、前の章で触れたように、配当をあわせて申告することになる場合があります。

Q. 申告不要を選んだあと、やはり申告したくなったら?

国税庁のタックスアンサー(番号1331)では、確定申告で選んだ方法は、その後の修正申告や更正の請求で変更できないと案内されています。

口座の種類を、もう一度整理したい方へ

配当金の税金は、特定口座・一般口座・NISA口座のどれで受け取るかによって扱いが変わります。まずは口座の種類の違いから確認できます。

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📌 まとめ

  • 国内の上場株式の配当は、支払いのときに所得税及び復興特別所得税15.315%と住民税5%(合計20.315%)が源泉徴収される(2026年10月時点)
  • 上場株式等の配当は、金額にかかわらず確定申告不要制度を選べる(大口株主等を除く)
  • 申告する場合は、総合課税か申告分離課税を選ぶ。申告する配当の全額が対象で、選んだ後は変更できない。所得税と住民税の方式は一致する
  • 配当控除は、総合課税を選んだ国内法人の配当が対象。申告分離課税・申告不要・外国法人の配当は対象外
  • NISA口座の配当は非課税。ただし株式数比例配分方式で受け取る必要がある
  • 海外株の配当は、外国税額控除という調整の仕組みがある。適用には確定申告が必要
  • 申告の要否や課税方式の選び方に迷ったら、税務署・税理士へ。最終判断はご自身で

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や個別の投資助言・税務相談を行うものではありません。税制の内容は2026年10月時点で確認できた情報にもとづいており、法改正によって変わる場合があります。実際の税務上の取り扱いは、お一人おひとりの状況によって異なります。申告の要否や課税方式については、国税庁の最新の公表資料をご確認のうえ、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。投資にはご自身の判断と責任で臨んでください。投資には元本割れのリスクがあります。