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新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違い

サイト管理人
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株式投資歴20年。米国株・海外株・FX投資の経験をもとに情報をお届けします。
2024年から始まった新しいNISAには、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」という2つの枠があります。名前は聞いたことがあっても、「どちらを使えばいいのか」「両方使えるのか」で止まってしまう人は多いようです。この記事では、2つの枠が制度としてどう違うのかを、金融庁が公表している内容にもとづいて整理します。どちらを選ぶべきかを助言するものではありません。

① 新しいNISAの全体像

NISAは、専用の口座で買った金融商品から出た利益(売却益や配当・分配金)に税金がかからないという制度です。通常の課税口座であれば、利益に対して20.315%が課税されます。そこがゼロになる、というのが基本の仕組みです。

2024年に制度が変わり、それまでの「つみたてNISA」「一般NISA」が統合されて、ひとつのNISA口座の中に2つの枠が置かれる形になりました。

🌿 2024年からの制度の主な特徴(金融庁公表内容より)
  • 口座開設期間は恒久化(いつまでに始めなければいけない、という期限がない)
  • 非課税保有期間は無期限(何年で終わり、という期限がない)
  • つみたて投資枠と成長投資枠は併用できる
  • 年間投資枠は合計で最大360万円(つみたて120万円+成長240万円)
  • 非課税保有限度額(生涯投資枠)は1,800万円。うち成長投資枠は1,200万円まで

以前の制度を知っている人ほど、「非課税期間が20年で終わる」「毎年ロールオーバーの手続きが要る」といった前提で考えてしまいがちですが、そのあたりは現在の制度では変わっています。古い解説記事を読むときは、いつ時点の情報かを確認してください。

② 2つの枠の違いを表で確認する

まずは制度上の違いを並べます。

比較項目 つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資枠 120万円 240万円
生涯投資枠 2つ合わせて1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
買い方 積立・分散投資に適した方法(定期的・継続的な買付) 一括でも積立でも可
対象商品 金融庁の基準を満たす一定の投資信託・ETF 上場株式・投資信託など(一部除外あり)
非課税保有期間 無期限 無期限
口座開設期間 恒久化 恒久化

ここでいちばん誤解が多いのは、「つみたて投資枠のほうが安全な商品」「成長投資枠のほうがリスクが高い」という理解です。正確には、枠によって買える商品の範囲が違うだけで、成長投資枠でつみたて投資枠と同じ投資信託を買うこともできます。逆に、つみたて投資枠の対象商品であっても、値下がりすることは当然あります。

③ 対象商品はここが違う

つみたて投資枠:範囲が絞られている

つみたて投資枠で買えるのは、金融庁が定めた基準を満たす投資信託とごく一部のETFに限られます。基準には、販売手数料がかからないこと(ノーロード)、信託報酬が一定水準以下であること、頻繁に分配金が支払われないこと、といった条件が含まれています。

そのため、対象商品は「制度全体で見ても数百本程度」という規模になります。数万本ある投資信託全体からすれば、かなり絞り込まれた範囲です。この絞り込みが、初心者にとっては選びやすさにつながる一方、選べる幅が狭いという見方もできます。

成長投資枠:除外される商品が決まっている

成長投資枠は、逆に「これは対象外」という形で範囲が決まっています。金融庁の説明では、整理銘柄・監理銘柄、信託期間20年未満の投資信託、毎月分配型の投資信託、デリバティブ取引を用いた一定のレバレッジ型の投資信託などが除かれるとされています。

💡 除外の意図をどう読むか
  • 整理・監理銘柄:上場廃止が決まっている、またはその恐れがある銘柄
  • 信託期間20年未満:長期保有を前提とした制度と合わないため
  • 毎月分配型:分配のたびに元本を取り崩す形になりやすく、長期の資産形成と相性が良くないとされるため
  • 高レバレッジ型:値動きが増幅される設計のため

いずれも「長期・積立・分散」という制度の趣旨に沿った線引きだと説明されています。ただし、除外されていない=おすすめされている、という意味ではありません。成長投資枠の対象商品には、値動きの大きい個別株も広く含まれます。

⚠️ 実際に何が買えるかは金融機関によっても違う
制度上の対象商品と、自分が口座を持っている金融機関で実際に買える商品は別です。取扱本数は金融機関ごとに大きく異なり、外国株式やETFの扱いにも差があります。どこにNISA口座を開くかという観点はNISA口座はどこで開く?証券会社比較の考え方でまとめています。

④ 1,800万円と1,200万円の関係

ここが制度の中でいちばん理解しにくい部分かもしれません。整理すると、次のようになります。

使い方 可否
つみたて投資枠だけで1,800万円を使う 可能
成長投資枠だけで1,800万円を使う できない(成長投資枠は1,200万円が上限)
成長投資枠1,200万円+つみたて投資枠600万円 可能(合計1,800万円)
両方を毎年上限まで使う(年360万円) 可能。ただし合計1,800万円に達したらそこで打ち止め

つまり、1,200万円という数字は「成長投資枠の天井」であって、つみたて投資枠にはそうした個別の天井がないということです。年360万円をフルに使い続けた場合、5年で生涯投資枠の1,800万円に到達する計算になります。

⚠️ 生涯投資枠は「買った金額」でカウントされる
1,800万円は、買い付けた金額(簿価)で数えます。値上がりして評価額が2,500万円になっても、枠を超えたことにはなりませんし、そのために売る必要もありません。ここは安心してよい部分です。

⑤ 売却すると枠は復活する(ただし翌年)

新しいNISAの大きな変更点が、売却した分の枠が再利用できる点です。金融庁の説明では、商品を売却した場合、翌年以降に、売却した商品の簿価(取得金額)の分だけ非課税投資枠が復活するとされています。

ここで押さえておきたいのは、次の2点です。

🌿 枠の復活で間違えやすいポイント
  • 復活するのは翌年。売ったその年のうちに、同じ年の枠として使い直すことはできません
  • 復活するのは「買ったときの金額」。100万円で買ったものを150万円で売っても、戻るのは100万円分です
  • 年間投資枠(120万円・240万円)は復活しません。復活するのは生涯投資枠のほうです

この仕組みがあるため、「住宅購入で一度取り崩したら、その分の枠は二度と使えない」という心配は不要になりました。一方で、年内に売って年内に買い直す、といった使い方はできないので、短期の売買を繰り返す用途には向かない設計だと言えます。

⑥ 併用の考え方と、よくある疑問

両方の枠を使う必要はあるのか

制度上は併用できますが、両方使わなければ損、というものではありません。つみたて投資枠だけで生涯投資枠1,800万円をすべて使うことも可能です。実際、「投資信託を毎月積み立てるだけ」という使い方であれば、成長投資枠を使わなくても完結します。

一方で、年間120万円(月10万円)を超えて積み立てたい場合や、個別株やETFを非課税で持ちたい場合には、成長投資枠が必要になります。成長投資枠で投資信託を積み立てることもできるため、「つみたて投資枠を使い切ったら成長投資枠でも積立を続ける」という使い方をしている人もいます。

NISA口座は1人1口座

NISA口座は、すべての金融機関を通じて1人1口座です。A証券とB証券の両方にNISA口座を持つことはできません。ただし、年単位で金融機関を変更することは可能とされています(その年に一度でも買付をしていると、その年の変更はできないなどの条件があります)。

18歳未満の場合

現行のNISAは18歳以上が対象です。未成年者向けの制度としては、2027年1月から「こどもNISA」が始まることが決まっています(2026年に法改正が成立)。こちらはこどもNISAとは?2027年開始の新制度をわかりやすく解説で扱っています。制度内容は決定・変更されうるため、必ず最新の公的情報をご確認ください。

⑦ 非課税だからこその注意点

NISAのデメリットとして必ず挙げられるのが、損失が出たときの扱いです。

できること・できないこと 課税口座 NISA口座
利益への課税 20.315%が課税される 課税されない
他の口座の利益との損益通算 できる できない
損失の繰越控除(最長3年) できる(確定申告が必要) できない

NISA口座での損失は、税務上「なかったもの」として扱われます。そのため、他の口座で出た利益と相殺して税金を減らす、ということができません。「非課税」という言葉は利益にだけ効く、と理解しておくと誤解が減ります。課税口座側の仕組みは投資にかかる税金の基本|NISA以外の課税口座の仕組みで詳しく整理しています。

⚠️ 配当を非課税で受け取るには受取方法の設定が要る
NISA口座で保有する上場株式の配当金を非課税で受け取るには、受取方法を「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方式)にしておく必要があるとされています。郵便局や銀行口座で受け取る設定のままだと、課税されてしまう場合があります。設定は証券会社の口座画面から確認できます。配当そのものの考え方は配当金・配当利回りの基礎知識もご覧ください。

また、当然のことですが、NISAは「制度」であって「商品」ではありません。NISA口座で買っても値下がりすることはありますし、非課税のメリットは利益が出て初めて意味を持ちます。何を買うかは別の判断です。商品選びの視点は投資信託の選び方|信託報酬・純資産総額の見方や投資信託とETFの違いで扱っています。

NISA口座は証券口座とセットで開く

NISA口座は、証券会社や銀行の総合口座と一緒に申し込むのが一般的です。開設には税務署での確認手続きがあるため、申込から利用開始まで時間がかかる場合があります。

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📌 まとめ

  • 新しいNISAには「つみたて投資枠(年120万円)」と「成長投資枠(年240万円)」があり、併用すると年間最大360万円
  • 生涯投資枠は2つ合わせて1,800万円。うち成長投資枠として使えるのは1,200万円まで
  • つみたて投資枠だけで1,800万円を使うことは可能。成長投資枠だけで1,800万円は使えない
  • 口座開設期間は恒久化され、非課税保有期間は無期限
  • つみたて投資枠は金融庁の基準を満たす投資信託等に限定。成長投資枠は整理・監理銘柄、信託期間20年未満、毎月分配型、高レバレッジ型などが除外される
  • 売却すると簿価分の枠が翌年以降に復活する。年間投資枠は復活しない
  • NISA口座は1人1口座。損益通算・繰越控除はできない
  • 枠の違いは「買える商品の範囲」の違いであって、安全性の違いではない

※この記事は2026年9月時点で公表されている制度内容にもとづく一般的な情報提供です。特定の金融商品・サービスの勧誘や、個別の投資助言を行うものではありません。NISA制度の内容・対象商品・手続きは変更される場合がありますので、必ず金融庁および各金融機関の公式情報で最新の内容をご確認ください。投資はご自身の判断と責任で行ってください。投資には元本割れのリスクがあります。