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投資信託の注文から買付・受渡までの流れ|基準価額はいつ決まる?約定日・受渡日・締切時間の見方

サイト管理人
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株式投資歴20年。米国株・海外株・FX投資の経験をもとに情報をお届けします。
投資信託を初めて注文すると、「いくらで買えたのか、注文した時点では分からない」「約定日、受渡日と、日付がいくつも出てくる」と戸惑う方が少なくありません。この記事では、資産運用業協会(旧投資信託協会)と日本証券業協会の公表情報にもとづいて、基準価額が決まるタイミング、申込から約定・受渡までの流れ、申込の締切時間の見方、海外資産に投資するファンドで日数が延びる場合、NISAの年間投資枠との関係、解約(換金)の流れを整理します。ファンドの選び方(信託報酬・純資産総額)は投資信託の選び方、分配金は投資信託の分配金とは?、ETFとの違いは投資信託とETFの違い、積立の考え方は積立投資とドルコスト平均法で扱っているため、この記事は「注文から受渡まで」の仕組みに絞ります。特定のファンドや販売会社をすすめることも、「いつ買えば有利か」といった売買のタイミングの助言も、行いません。
⚠️ はじめにお読みください
この記事は、2026年10月時点で、公的機関・業界団体が公表している情報から確認できた範囲でまとめた、一般的な説明です。資産運用業協会は、2026年4月1日に日本投資顧問業協会と投資信託協会が統合して発足した団体で、この記事では「資産運用業協会(旧投資信託協会)」と書きます。申込の締切時間、約定日や受渡日までの日数、積立の買付日などは、販売会社(証券会社や銀行など)やファンドによって異なります。実際の取り扱いは、購入を検討しているファンドの交付目論見書と、販売会社の案内でご確認ください。また、投資信託には元本割れの可能性があります。最終判断はご自身で行ってください。

① 基準価額とは|1口あたりの値段で、1日に1つ公表される

資産運用業協会(旧投資信託協会)の説明によると、投資信託の値段のことを基準価額といい、投資信託の取引単位は「口(くち)」と呼ばれます。基準価額は投資信託の一口あたりの値段で、投資家が投資信託を購入・換金するときは、この基準価額で取引が行われます。なお、1口1円で運用が始まった投資信託は、1万口あたりの金額で基準価額を公表しているとされています。画面で見かける「12,000円」のような数字は、1万口あたりの値段であることがあります。

基準価額は、ファンドの資産のうち投資家に帰属する額(純資産総額)を、総口数で割って求められます。仮の数字で、純資産総額が12万円、総口数が10万口なら、1口あたり1.2円、1万口あたり12,000円です(費用は考えない単純化した例です)。

株式は取引時間中に値段が刻々と変わりますが、一般的な投資信託の基準価額は、組み入れている株式や債券などの時価評価をもとに算出され、1日に1つの価額として公表されると説明されています。基準価額は、運用会社や販売会社のホームページ、資産運用業協会の「基準価額検索」や「投信総合検索ライブラリー」、新聞(主な追加型の株式投資信託)などで調べられます。なお、分配金が支払われると基準価額が下がる点は投資信託の分配金とは?で説明しています。

② 注文から受渡までの流れ|申込日・約定日・受渡日

投資信託の売買には、日付を表す言葉が3つ出てきます。資産運用業協会のQ&Aの説明を整理すると、次のとおりです。

言葉 意味(協会の説明) 日程の目安
申込日 売買の注文を出した日。締切時間までに注文すればその日が申込日になり、締切を過ぎると翌営業日が申込日になる 締切時間は販売会社やファンドで異なる
取引成立日(約定日) 売買取引が成立した日。国内資産を投資対象とするファンドでは、申込日の基準価額で成立する 国内資産が中心なら申込日と同じ日。海外資産が中心なら、時差の関係で申込日の翌営業日になる
受渡日 売買が成立したあと、売買代金のやり取りを行う日。購入なら代金を決済する日、売却なら代金を受け取る日 約定日の2〜5営業日後になるケースがほとんど。ファンドによって異なる

「営業日」とは、一般に、販売会社が営業している日のことです。販売会社の休業日や、海外の証券市場・金融機関の休業日によって、日程が変わる場合があります。

買付までの一般的な流れは、次のとおりです。

  1. 販売会社(証券会社、銀行、郵便局など)に口座を開く(初めて買う場合)。口座開設は、販売会社によって約1週間〜1か月ほどかかることもあるとされています。
  2. ファンドを選び、販売会社に購入を申し込む(申込日)。
  3. 申込の締切後に基準価額が決まり、取引が成立する(約定日)。
  4. 受渡日に、購入代金の決済が行われる。
  5. 取引報告書で、買えた口数・単価・約定金額・手数料などを確認する。

販売会社の取扱商品は同じとは限らず、同じ投資信託でも、取り扱う販売会社と取り扱わない販売会社があります。また、取引が成立すると、販売会社は契約締結時交付書面や「取引報告書」を投資家に送ることになっています。取引報告書には、ファンドの名称、取引数量、単価、約定金額(取引数量×単価)、手数料、消費税などが載っているため、協会は内容を確認するよう案内しています。

③ 基準価額はいつ決まる?|ブラインド方式と申込の締切時間

注文の時点では、いくらで買えるか分からない

資産運用業協会の説明では、基準価額が公表されるのは、投資信託の取引の申込を締め切ったあとです。つまり、投資家は当日の基準価額が分からない状況で取引の注文を出すことになります。この仕組みを「ブラインド方式」といいます。協会は、基準価額が確定・公表された後に取引ができると、すでに投資信託を保有している投資家の利益が阻害されるため、この方式を採用していると説明しています。

そのため、「画面に出ている基準価額で買う」ことはできません。金額で指定して買う場合は、基準価額が決まったあとで買える口数が決まります。取引所の価格を見ながら売買するETFとの違いは投資信託とETFの違いで比べています。

申込の締切時間は「会社ごとに異なる」

締切時間について、資産運用業協会のQ&Aは、その日の基準価額で購入・換金したい場合、原則として15時30分までに申込が必要としています。一方、同じQ&Aの別の項目では、売買注文には締切時間が決まっていて、一般的には15時までに注文すると申込日がその日になる、とも説明されています。説明に幅があることからも分かるように、実際の締切時間は、販売会社やファンドによって異なります。換金のページでも、販売会社の営業時間の午後3時30分までとしたうえで、「換金の受付時間は投資信託によって異なります」と書かれています。

協会は、投資信託の取引時間は証券取引所と連動していると説明しています。東京証券取引所の午後の取引は、現在15時30分までです(日本取引所グループ)。以前は15時までだったため、古い解説に「15時まで」と書かれていることがあります(株の注文方法で取引時間を整理しています)。

ただし、外国証券に主に投資する投資信託は別です。15時30分までに申し込んだ取引でも、時差の関係で、一般的に翌日以降の基準価額で取引が行われるとされています。

締切時間は、販売会社の注文画面や取引ルールの案内、ファンドの交付目論見書(購入単位や手数料など、手続き面の記載があります)で確認してください。この記事では、「どの日・何時に注文すると有利か」といった売買のタイミングは扱いません。タイミングについての一般的な考え方は投資を始めるタイミングに正解はある?をご覧ください。

④ 約定日と受渡日の違い|海外資産に投資するファンドは日数が延びる場合も

約定日は「取引が成立する日」、受渡日は「お金が動く日」

協会のQ&Aでは、入金までに時間がかかるため、約定日の2〜5営業日後が受渡日になるケースがほとんどで、投資信託によって異なるとされています。購入代金をいつまでに用意するかは、販売会社の案内で確認してください。

海外資産が中心のファンドは、約定日が遅くなる場合がある

協会のQ&Aによると、国内資産を投資対象とするファンドは申込日と約定日が同じ日になる一方、海外資産を投資対象とするファンドは、時差の関係で、申込日の翌営業日が約定日になります。さらに、海外の証券市場や金融機関の休業日が影響し、約定日がずれるケースがあります。取り扱いができなくなる日は販売会社のホームページに載っているため、申込の前に約定日がいつになるかを確認するよう案内されています。

休業日がない週を仮定して、協会の説明にそって日程を並べると、次のようなイメージです(仮の計算例で、実際の日程は異なる場合があります)。

国内資産が中心のファンド 海外資産が中心のファンド
月曜(締切までに申込)申込日申込日
約定日月曜(申込日と同じ)火曜(申込日の翌営業日)
受渡日(約定日の2〜5営業日後)水曜〜翌週の月曜のどこか木曜〜翌週の火曜のどこか

海外資産に投資するファンドは為替の動きの影響も受けます(円安・円高が投資に与える影響)。

⑤ 積立の場合と、年末のNISA年間投資枠

積立の「買付日」は販売会社のルールで決まる

資産運用業協会のQ&Aでは、積立投資信託の利用を開始すると、販売会社にもよりますが、最短で「積立設定日の翌日」から積立が始まるとされています。積立の条件には「毎日」「毎週」「毎月」の3種類があり、どれを選べるかは販売会社によって異なります。積立の買付日が休業日にあたったときの扱いや、積立の約定日・受渡日の日程も、販売会社のルールによるため、設定前に確認してください。積立投資の考え方は積立投資とドルコスト平均法で扱っています。

NISAのつみたて投資枠は、銘柄を指定して定期的に一定額を買い付ける「累積投資契約」にもとづく買付けに限られます。日本証券業協会のQ&Aでは、「定期的」は原則として毎月で、2か月に1回、3か月に1回も可能ですが、「年に1回」は認められないと説明されています。

年末に買うときは「受渡日」に注意(NISA)

日本証券業協会の「2024年以降のNISAに関するQ&A」(2026年9月版)では、今年分の年間投資枠を使うには、今年のうちに購入する必要があり、具体的には購入した上場株式等の「受渡日」が今年の12月31日以前であることが必要とされています。このQ&Aは、ETFや公募株式投資信託なども含めて「上場株式等」と呼んで説明しています。そして、金融商品によって約定日と受渡日の間隔が異なるので注意するよう書かれています。

つまり、年末が近い時期に買う場合は、約定日だけでなく受渡日がいつになるかが年間投資枠の判定に関わります。積立の年末に近い買付日の分も同様です。受渡日が翌年になる買付けがどの年の枠で扱われるかなど、個別の扱いは金融機関の案内でご確認ください。

なお、年間投資枠の利用金額は、単価に数量を乗じた取得対価の額で計算し、購入手数料等は含まないとされています(同Q&A)。NISAの2つの枠の違いは新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違い、売却したときの枠の扱いはNISAで売却したら枠は復活する?、口座の選び方はNISA口座はどこで開く?で扱っています。

⑥ 解約(換金)の流れ|お金が戻るまでの日数

投資信託を手放す手続きを、換金といいます。資産運用業協会の説明では、換金の方法には「買取請求」(販売会社に買い取ってもらう方法)と「解約請求」(販売会社を通して信託財産の一部の解約を請求する方法)の2種類があります。2009年以降、公募株式投資信託の換金で生じた利益は、換金方法を問わず譲渡所得とされ、税制上の違いはなくなったと説明されています。税金の基本は投資にかかる税金の基本をご覧ください。

投資信託は、原則としていつでも換金の申込ができます。協会の説明では、換金の受付時間は、購入した販売会社の営業時間の午後3時30分まで(投資信託によって異なる)とされています。代金が支払われる日は、次のように説明されています。

種類 換金代金の支払日(協会の説明)
日々決算型(MRFなど)通常、申込日の翌営業日
上記以外の投資信託原則として、申込日から4営業日目以降(Q&Aでは、口座に振り込まれるまでおよそ4〜5営業日かかるとも説明)

そのため、急にお金が必要になったときに、払い戻しが間に合わない可能性があります。また、一定期間は解約できない「クローズド期間」を設けている投資信託もあるため、交付目論見書や運用会社のホームページで確認してください。生活に必要なお金は、投資とは別に備える考え方もあります(生活防衛資金の考え方)。

解約のときも、ブラインド方式のため、手続きが行われる日の基準価額は注文の時点では分かりません。口数を指定して解約する場合、協会は「口数=解約したい金額÷基準価額×10,000」で求められると案内していますが、これはあくまで概算です。たとえば、19万円分を解約したく、直近の基準価額が1万口あたり9,500円なら、190,000÷9,500×10,000で20万口が目安です。

なお、換金時には「信託財産留保額」がかかるファンドもあります。購入時手数料や信託財産留保額などのコストの考え方は、投資信託の選び方で扱っています。

⑦ 申込前のチェックリストと、よくある疑問

申込前のチェックリスト

Q. 注文した日の基準価額で買えるとは限らないのですか?

締切時間までに受け付けられ、国内資産が中心のファンドであれば、申込日の基準価額で成立するとされています。一方、締切を過ぎた場合は翌営業日が申込日になり、海外資産が中心のファンドは、時差の関係で翌営業日以降の基準価額になることがあります。

ファンドを選ぶ前に、コストの見方を確認したい方へ

申込の流れを知ったうえで、信託報酬や純資産総額など、ファンドそのものを比べるときの見方を整理した記事があります。

投資信託の選び方を見る →
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📌 まとめ

  • 基準価額は投資信託の一口あたりの値段で、1日に1つ公表される。基準価額は申込の締切後に決まるため、注文の時点では取引の価額が分からない(ブラインド方式)
  • 日付は3つ。申込日(注文した日。締切後は翌営業日)、約定日(取引成立日)、受渡日(代金のやり取りの日)
  • 資産運用業協会のQ&Aでは、その日の基準価額で売買するには原則15時30分まで、一般的には15時までとも説明されている。実際の締切時間は販売会社・ファンドで異なる
  • 国内資産が中心のファンドは申込日と約定日が同じ。海外資産が中心のファンドは、申込日の翌営業日が約定日。受渡日は約定日の2〜5営業日後がほとんど
  • NISAの年間投資枠は、購入した商品の受渡日が12月31日以前であることが必要とされる(日本証券業協会のQ&A)。年末に近い買付けは受渡日を確認する
  • 解約は、日々決算型以外では原則として申込日から4営業日目以降に代金が支払われる。クローズド期間もある。元本割れの可能性があり、最終判断はご自身で
📚 参考にした公的機関などの情報

※本記事は、投資信託の仕組みを知っていただくための一般的な解説です。特定の商品の勧誘や、個別の投資助言を行うものではありません。内容は2026年10月時点で確認できた範囲のもので、今後変わる場合があります。申込の締切時間、約定日・受渡日までの日数、積立の買付日などは、販売会社やファンドによって異なります。投資信託には元本割れの可能性があります。実際に購入する前に、交付目論見書と販売会社の案内をご確認ください。判断はご自身でお願いします。