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新NISAでよくある失敗と、始める前にできる確認|枠・コスト・売却・使い方の落とし穴

サイト管理人
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株式投資歴20年。米国株・海外株・FX投資の経験をもとに情報をお届けします。
「新NISAは税金がかからないから、始めれば得をする」と思っていませんか。実は、NISAは運用で得た利益にかかる税金が非課税になる制度であって、元本割れ(投資したお金より価値が下がること)を防ぐ仕組みではありません。そのため、仕組みを知らないまま始めて、「思っていたのと違った」とつまずく場合があります。この記事では、金融庁・国税庁の公表内容から、つまずきやすい点を整理し、始める前にできる確認をまとめます。特定の商品や金融機関をすすめるものではなく、投資助言でもありません。
⚠️ はじめにお読みください
この記事は2026年10月時点で確認できた金融庁・国税庁の公表情報にもとづく、一般的な説明です。制度の内容や手続きの取扱いは、金融機関によって異なる場合があり、今後変更されることもあります。「失敗した人がどれくらいいるか」を示す公的な統計は、今回確認できた範囲では見つかりませんでしたので、この記事の「失敗」は、制度の仕組みから見て「つまずきやすい」と考えられる点を整理したものです。割合や人数は示していません。投資には元本割れの可能性があります。最終的な判断はご自身で行い、不明点は金融機関や税務署、専門家にご確認ください。

① 結論:「非課税」と「元本割れしない」は別のこと

金融庁のNISA特設ウェブサイトの資料では、通常、株式や投資信託などで得た利益や配当・分配金には約20%(20.315%)の税金がかかるのに対し、NISA口座で投資した商品から得られる利益は非課税になる、と説明されています。つまり、非課税になるのは「利益にかかる税金」です。同じ資料には、有価証券等への投資は預金等とは異なり、元本割れ等のリスクを伴うことも書かれています。

この記事で取り上げるのは、枠、損失の扱い、商品とコスト、売却と生活資金、金融機関の5つです。どれも、そうなるとは限らないものの、制度を知らないと起こりやすい点という意味です。なお、NISA口座の開設そのものについてはNISA口座はどこで開く?証券会社比較の考え方、少額から始める考え方は投資はいくらから始められる?少額で始める考え方で扱っています。

② つまずきやすい点①:非課税枠の使い方

年間の上限と、生涯の上限は別

金融庁の資料によると、新しいNISAの枠は次のとおりです(2026年10月時点で確認)。

項目 内容
つみたて投資枠の年間投資枠 年120万円
成長投資枠の年間投資枠 年240万円(併用できる)
非課税保有限度額(生涯の総枠) 1,800万円(簿価=取得金額で数える)。うち成長投資枠は1,200万円(内数)まで
非課税で保有できる期間 無期限

年間の枠で買った分は、そのまま生涯の枠(簿価)にも数えられます。また、生涯の枠に空きがあっても、1年で投資できる金額は年間投資枠まで、という点が混乱のもとになりやすいところです。2つの枠の違いは新NISAのつみたて投資枠と成長投資枠の違いで整理しています。

売っても、同じ年には枠が戻らない

金融庁の資料では、商品を売却した場合、売却した商品の簿価(買ったときの金額)の分だけ非課税保有限度額が復活し、翌年以降に再利用できるとされています。また、再利用できる枠が、その年の年間投資枠に上乗せされるわけではない、とも書かれています。

ここで起こりやすいのが、「売ったらすぐ同じ枠でまた買える」「値上がりした分も枠に戻る」といった思い込みです。枠が戻るのは簿価の分であり、時価の分ではありません。詳しい仕組みと計算例はNISAで売却したら枠は復活する?仕組みと注意点にまとめています。

また、2023年までのつみたてNISA・一般NISAの商品は新しい枠の外で管理され、旧NISAの商品を売却しても、現行NISAの非課税保有限度額は再利用できません。

③ つまずきやすい点②:損失の扱い(損益通算・繰越控除はできない)

NISA口座で売却して損失が出た場合の税金上の扱いは、見落とされやすい点です。国税庁のタックスアンサー(番号1535)では、非課税口座で生じた売却損は「ないものとみなされる」ため、特定口座や一般口座の配当や譲渡益と損益通算(利益と損失を相殺して税金を計算すること)することも、翌年以降に繰り越すこと(繰越控除)もできない、と説明されています。金融庁の資料にも同じ趣旨の注意書きがあります。

💡 説明用の例(架空の数字です)
  • 特定口座(課税口座)で10万円の売却益、NISA口座で10万円の売却損が出たとします
  • NISA口座の損失は税務上ないものとみなされるため、特定口座の10万円の利益と相殺して税額を減らすことはできません
  • 課税口座の損失には、損益通算などの仕組みが使える場合がありますが、NISA口座の損失は対象外です

利益が出たときは非課税になる一方、損失が出たときは税金を減らす手段としては使えない、という制度の性格です。課税口座の仕組みは投資にかかる税金の基本|NISA以外の課税口座の仕組みで整理しています。

⚠️ 「NISA口座なら損益がなくなる」わけではありません
金融庁は、NISA口座で保有している商品を売却しても、損益がなくなるということではない、と説明しています。非課税になるのは税金であり、値下がりすれば実際のお金としては損が出ます。

④ つまずきやすい点③:商品選びとコスト

対象商品には条件がある

金融庁の資料によると、つみたて投資枠で買えるのは「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」です。主な条件として、信託契約期間が無期限または20年以上であること、毎月分配型でないこと、販売手数料がゼロ(ノーロード)であること、信託報酬が低水準であること、などが示されています。成長投資枠は上場株式・投資信託等が対象ですが、整理・監理銘柄、信託期間20年未満・毎月分配型の投資信託、デリバティブ取引を用いた一定の投資信託等は除外されるとされています。

「NISAで買える」ことと「自分に合っている」ことは別です。条件を満たしているかどうかは制度上の話であり、値上がりを保証するものではありません。商品の選び方は投資信託の選び方|信託報酬・純資産総額の見方で扱っています。

費用は「買うとき・持っている間・売るとき」にかかる場合がある

金融庁の資料では、投資信託の主な費用として、買うときの購入時手数料、持っている間の信託報酬、売るときの信託財産留保額が挙げられています。つみたて投資枠の対象商品は、購入時手数料のほか解約手数料や口座管理料もゼロである必要があるとされていますが、成長投資枠の商品ではそうとは限りません。購入前に、目論見書(商品の説明書)で費用を確認するのが基本です。金融庁の資料でも、目論見書では目的、リスク、分配金と決算、運用状況、費用を確認することが紹介されています。

分配金・配当の受け取り方にも注意

なお、海外の株式などで外国で課される税金がNISA口座でどう扱われるかについては、今回確認できた金融庁・国税庁の資料の範囲では、詳しい取扱いを確認できませんでした。外国株や海外の商品を検討する場合は、金融機関や国税庁の案内で確認してください。

特定のものに偏らず、複数の資産に分ける考え方は分散投資・ポートフォリオの考え方|初心者向け基本で扱っています。

⑤ つまずきやすい点④:売却のタイミングと、生活に必要なお金

値動きに慌てて売ると、枠が戻るまで時間があく

市場が大きく動いたときに、不安になって売却を考える場合があるかもしれません。金融庁の資料では、長期・積立・分散投資が、リスクを可能な限り軽減しつつ安定的な資産形成を行うための有効な選択肢の一つとされ、積立投資は長期で継続するほうが成果につながりやすい、と説明されています。一方で、NISAでは途中で売却することもでき、資金が必要になったときに部分的に売るといった使い方もできる、とされています。

ここで知っておきたいのは、売却すると、その分の枠は翌年以降にならないと戻らないという点です。売った年のうちに、同じNISAの枠で買い直すことはできません。売るか持ち続けるかの判断は、人それぞれの状況や目的によって異なり、この記事ではどちらがよいかはお伝えできません。ただ、「売ったら枠がすぐ戻る」と思い込んで売却すると、仕組みとのずれで困る場合があるため、事前に確認しておくことをおすすめします。積立のしくみは積立投資とドルコスト平均法|初心者にやさしい投資の始め方で整理しています。

生活に必要なお金まで投資に回さない

金融庁の資料では、NISAの利用者に理解してほしい事項として、各自のライフプランやライフステージを踏まえて、どのような資金ニーズが発生するかをよく考えることが重要だとされています。また、買付額は「無理のない範囲で、無くても生活に困らない金額から始め、それを継続することが大事」という考え方が紹介されています。

急な病気や収入の減少などに備えるお金(生活防衛資金)まで投資に回してしまうと、値下がり時に、必要なお金を準備するために売却せざるを得なくなる場合があります。備えの考え方は生活防衛資金の考え方|投資を始める前に用意すべきお金で詳しく扱っています。

⑥ つまずきやすい点⑤:口座と金融機関の決め方・変更

NISA口座は1人1口座

金融庁の資料によると、NISA口座を開設できるのは、口座を開設する年の1月1日時点で18歳以上の居住者等で、NISA口座は1人1口座のみです。また、つみたて投資枠と成長投資枠を、別々の金融機関で利用することはできません。仮に二重に口座を開設していた場合、NISA口座で買付済みの商品は、特定口座または一般口座に移管されるとされています。複数の金融機関に口座を開く前に、すでにNISA口座を持っていないかを確認しましょう。開設した金融機関が分からないときは、税務署に相談して確認できると案内されています。

金融機関の変更は「年単位」で、条件がある

NISA口座を開設する金融機関は、1年単位で変更できます。ただし、金融庁のよくある質問では、変更前の金融機関のNISA口座で、その年にすでに上場株式等を受け入れている場合は、その年の変更はできないとされています。また、変更前の金融機関で保有していた商品を売却した場合、その枠を再利用できるのは、変更後の金融機関のNISA口座に限られます。

変更の流れや期限は、金融機関や年によって案内が異なる場合があります。具体的な手続きは、NISAの金融機関を変更するにはで整理していますので、あわせてご確認ください。

⑦ 始める前の確認リストと、よくある疑問

始める前に確認しておきたいこと

確認すること 確認先
生活に必要なお金と、投資に回すお金を分けているか 家計の見直し。目安は生活防衛資金の記事へ
すでにNISA口座を持っていないか(1人1口座) 利用中の金融機関、不明なら税務署
買いたい商品が、つみたて投資枠・成長投資枠の対象か 金融機関の案内、金融庁の対象商品の一覧
購入時手数料・信託報酬・解約時の費用はいくらか 目論見書、金融機関の案内
分配金の有無、外貨建てかどうか(為替の影響) 目論見書
売却したときに枠が戻る時期・損失の扱い 金融庁・国税庁の資料、金融機関

Q. 新NISAで失敗する人は何割くらいいますか?

失敗した人の割合を示す公的な統計は、今回確認できた金融庁・国税庁の資料の範囲では見つかりませんでした。そのため、割合や人数はお伝えできません。この記事は、制度上つまずきやすいと考えられる点を一般的に整理したものです。

Q. 損失を避ける方法はありますか?

投資には元本割れの可能性があり、損失を避ける方法をお示しすることはできません。金融庁の資料では、リスクを可能な限り軽減する考え方として、長期・積立・分散投資が紹介されていますが、これも将来の成果を保証するものではありません。制度や商品の条件、費用を事前に確認し、無理のない金額で始めるなど、ご自身の状況に合わせて判断してください。

Q. 「リスクがない」「NISAなら安心」とすすめられました。

投資にはリスクがあり、「リスクがない」といった説明は制度や商品の性質と合いません。不安なときは、金融機関の窓口や専門家に確認してください。見分け方は投資詐欺・怪しい儲け話の見分け方で整理しています。

口座を開く前に、金融機関を見比べる

取扱商品、手数料、積立の最低金額は金融機関ごとに違います。比べてから決めたい方は、こちらもご覧ください。

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📌 まとめ

  • NISAは利益にかかる税金が非課税になる制度で、元本割れを防ぐ仕組みではない
  • 枠には年間の上限(つみたて投資枠120万円・成長投資枠240万円)と生涯の上限(1,800万円、うち成長投資枠1,200万円)がある。売却した分の枠が戻るのは翌年以降で、簿価の分
  • NISA口座の損失は、ほかの口座の利益との損益通算や繰越控除ができない
  • 対象商品の条件、手数料・信託報酬などの費用、分配金、為替の影響は、購入前に目論見書などで確認する
  • 生活に必要なお金は投資とは分けて考える。慌てて売る前に、売却後の枠の戻り方も確認する
  • NISA口座は1人1口座。金融機関の変更は年単位で、条件がある
  • 「失敗した人の割合」を示す公的な統計は確認できなかった。最終判断はご自身で行う
📚 参考にした公的機関の情報
  • 金融庁「NISA特設ウェブサイト」NISA制度の概要・NISAを知る・よくある質問・つみたて投資枠対象商品(2026年10月確認)
  • 金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(2024年6月、2025年9月改訂)
  • 国税庁タックスアンサー「番号1535 NISA制度」(2026年10月確認)

※この記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の勧誘や個別の投資助言、税務上の判断を行うものではありません。制度の内容や取扱いは、法改正や金融機関によって変わる場合があります。実際のお取引や税務上の扱いは、金融庁・国税庁の最新の公表資料、利用中の金融機関、税務署、専門家にご確認ください。投資にはご自身の判断と責任で臨んでください。投資には元本割れのリスクがあります。